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我がヨット巡航

プロペラ交換

機関給水トラブル その2

ホンダワラのプロペラへの絡み 1    その2

 

 

 



 

     プロペラ交換


 小生のヨットにはレース使用のゴリのフォ-ルデイングプロペラを装備しています。それはセーリング中でエンジン不使用の時には、折りたたんで水中抵抗を減じて船速を上げてくれるスグレモノです。 しかし、プロペラ効率が悪いのとアスタ-ン(バック)が効きにくいので、また、己の操縦ベタもあり、着岸作業に苦労していた。  わが艇は31fもあるにも関わらず、27fクラスのヨットに簡単に横を追い越されて不満に思っていた。

 2年ほど前に広島で上架した時、業者に3翼の固定プロペラに交換する概算を聞いたところ6万程で上架期間が少し長くなるとのことであった。 その後、係留地は岡山へ移った。そこで今秋にプロペラを交換することにした。 今春にはペラを2万円ほどの費用で取り外し、事前に計測をして秋の作業を効率よくするよう準備する。
 10月21日に上架し、ゴリプロペラとシャフトを取り外して新プロペラシャフトと新プロペラを注文。 10月30日にプロペラ交換作業終了。10月31日下架。そのため要した上下架期間は11日で、作業日数は1.5日であった。途中2日ほどで船艇塗料の1回塗りを終えたので、部品到着待ちの日数7日は幸いにもGoToキャンペ-ンを利用して岡山周辺を観光することになった。 上架中はホテル泊になりその費用も大変であったが。今回は35%引きになり助かりました。
 問題は費用が予定よりかかり過ぎたことで、宿泊代を除いても22万程要した。 シャフトやカットレベアリング2個などプロペラ以外にかかったこともある。 最初からこの費用がかかると分かっていたら、今までのバックの効きが悪い、速度が出ないのをガマンしたかもしれない。 今回のペラ交換の成果による速度上昇は0.5ノット程度であった。

 今後の反省点をまとめると
1.  事前の計測がその後の部品注文や作業日数の軽減に役立たず無駄に終わった
2.  費用の見積もり概算をはっきりとさせておくべきであった。
3.  上架中は宿泊代がかかるので、日程管理も大事である。



 

 交換前のゴリ フォ-ルデイングプロペラ




 交換後の3翼固定プロペラ



 左から 樹脂製軸中間新カットレスベアリング、 スタフィンボックス内のカットレスベアリング樹脂製とゴム付き樹脂製




 樹脂製 軸中間カットレスベアリングの抜出作業  ボルトナット4本で慎重におこなう




 新しいステンレスプロペラシャフト(25mm)と交換した真鍮プロペラシャフト


 先のオ-ナ-はいつも良くしてくれていて。今回も交換作業をやってあげる申し出があったが、その際にはプロペラの交換だけでかなり安価に出来たであろう。しかし、余り甘えるのもできずに業者に頼んだ次第である。 業者は良い人で昼も食べずに専念してくれました。 すべての結果にはオ-ナ-が負うべきものであるのでしょう。

 尚、交換したフォールデイングペラヤシャフトは船内に保管しています。もし次のオ-ナ-が必要としたときのために。 


     2020-12-7



     機関給水トラブル その2

                その1  2023-8-27

           冷却水ポンプ交換  2019-6-29



  赤丸は緊急錨泊候補地  徳島港



  2023年春巡航で佐賀関を出てすぐに警報が鳴り,冷却水トラブル(機関給水トラブルその1)が起きた。 ケンチョピアへ着岸してからの修理で判明したのであるが、詰まったものが違うが前回と同じエンジン位置での故障であった。

 キングストン・冷却水取入れバルブからビニールパイプが来てエンジン側の冷却水ポンプと続がっている。 このポンプの繋ぎをはずす。 するとビニールパイプからわずかに海水が漏れ出る。 まだ水面下の海水と続がっているので当然であるが。キングストンバルブを締めることもなく上に持ち上げる程度でパイプからの海水は止まった。 そこには20cm程度のニラのような細長い海草が詰まっていた。 パイプを口をつけて噴き出してみる。ゴボゴボと排出音がしたので、そこから艇外への詰まりはないようであった。 パイプを繋いでエンジンを始動して回転数を上げしばらく運転して様子を見る。 警報音が鳴らないので直ったようだ。 ポンツーンンから艇外への排出水の出具合をチェックした。これも問題ないようである。

 原因は小鳴門の水路でホンダワラを吸い込んだようだ。 海水ストレーナーをエンジン前に設置していればトラブルは起きなかったかもしれません。 瀬戸内ではゴミを吸うトラブルには気をつけるようにアドバイスを受けていたが、そのトラブルは購入後の7年目にして初めて経験させられました。 高松港で同型ヨットが陸置きされていたので吸水口を確かめるとメッシュが施されておりゴミ対策はなされていた。 年式の違いかその艇のハルには取り付け用のクボミがありメッシュが付けられるようになっていた。

 航海中のつまりによる吸水トラブルは大変なので、我がヨットにはシンクの吸水からビニルパイプを機関冷却水ポンプへ繋ぐホーッスを用意はしていたが今回は事前のトライアルもしていなかったので役に立ちませんでした。 事前の訓練は大事とは分かっているつもりだけれど出来ていません。 

 今回は警報が鳴り、機関を止め、ジブを出そうとするがジブが出ない。 メインもやっとのことで上げてセ-リングするが2-3ノット。数日前に予備の2馬力船外機をブランケットから外れて海水に漬けてしまったのでこれも始動できず。 トラブルは悪い方に傾くのが常のようです。 何重にもトラブルが重なって最悪の事態を迎えることになるのでしょう。 幸い陸からのアビームの風でリーショアの心配もなく徳島港の入り口まで走れた。 そこで最小回転の機関始動ができたので、ケンチョピアの着岸まで事なきを得た。 人生の最悪の事態を免れる残り少ない運を使ってしまった思いである。



       2024-2-10



     ホンダワラのプロペラへの絡み

 

  えい航される

   
 温暖化の影響か?、今年のホンダワラの繁殖が異常に多く、他のヨットマンも同じ考えのようだ。 瀬戸内海では、まだそうでもなかった。別府に入るころより、プロペラに絡み始めて、1日おきの頻度で潜りそれを取り除く事態に陥る。

 今年のクル-ズプランでは、昨年は九州一周を西回りで計画し、台風の影響で長崎で断念したところから、東回りをすることにした。 別府から佐賀関を回って豊後水道を日向灘へむかった。 もし、昨年と同じ航路を取ったとしても、玄界灘でスクリュ-大量に絡みつき、洋上で潜って取り除いたというヨットマンの体験を聞かされたので、同様に難儀したであろう。

 シングルハンドであると、なかなか前方をワッチするのは完璧にはいかず、舷側にそれが流れていくのを見てハットすることも多い。また、それを取り除くにも、洋上で潜ることはシングルハンドでは、はなはな危険な行為である。体をロ-プで縛って流されないようにヤルとしても、波で船体に頭部をブツけたり、潜って浮き上がった時には船体から離れていることがある。 ヨットの事故で意外と多いのは、泳ぎと飛び込みに自信があるの人なのでしょう、かっこよくヨットから飛び込んで泳ごうとして、船上に上がることができずに遭難することです。 というのは、舷側がクル-ザ-では予想以上に高く、デインギ-と違いハシゴなしでは上がれませんから。 小生は港に着岸して潜ることにしています。若い頃にはオホ-ツクの海でロ-プがからみ、震えながら潜った経験がありますが、それ一度キリです。

 大分佐伯・大入島から宮崎細島を目指して航行中、豊後大島と鶴御崎の間の元ノ間海峡通過までは順調でした。前日に海の駅桟橋で潜って取り除いていたので、ペラの絡みは無しで出港した。速度が4ノット3ノットに下がっていき、深島をなかなか交わせない。日向市沖のやっと枇榔島近くまでやっと来たら、エンジン音が変わり止まりそうになる。 4-5mの大きなウネリの中でした。 また、藻が絡んだなと考えました、入港して潜らねばなるまいと。 エンジンが止まるとなると、メインセ-ルを揚げていないので、ジブだけではセ-リングが満足でない。おまけに二馬力の船外機は取り付けておらず、それにそれの始動が気ままです。大きな揺れのなかで船尾に船外機を取り付けるのは難しい。 毎日のように海藻取で潜るため、船尾ハシゴを使うことを想定して、船外機を取り付けてなかったのです。どちらかしか使えない装備です。  メ-ンセ-ルは下記写真のようにガンジガラメに縛ってあり、すぐには揚げられない。夕方になり日も暮れそうです。 絶対絶命ではなくても大いにコマッタなと思っていたところ、そこへ「どうかしましたか?」と漁船が近寄ってきて声をかけてくれました。 九死に一生を得る、絶体絶命の危機に「救世主」が間髪を入れずに現れるとは、まさにこのことです。日頃の行いが悪いにもかかわらずに。 地元の元ヨットマンが漁船の廻航業務をしていて、ジブ縁が赤い色の知り合いのヨットだと思い寄ってきたものでした、すぐに異変に気が付いてお声がけしてくれて、助かった次第です。

 今回は事故にならずに済みましたが、起きる時には二三重にミスが重なるのでしょう。 と云うより、今まで、おざなりにしてきたもの、怠けてやっていないもの、不完全や欠けた知識によるもの、こういったものがヨットでは何かのときにキッチリと詰めてくるように思います、思い知らされます。 なにせ、自然相手ですから。

 写真のように延岡・トトロまでえい航してもらい無事着岸しました。土々呂のヨットマンの人々がその後数日にわたって門川にある温泉の送迎をわざわざしていただきました。ありがとうございます。

 土々呂漁港で翌日に潜り、午前中いっぱいかかって写真のように大量のホンダワラを取り除きました。 潜ったらスクリュウ-の形をとどめないほどまん丸く絡みついていた。 エンジンは12時間ほど回した関係で燃料消費が多くなり、タンクの底の燃料を使った関係で燃料供給が悪くなったのが原因と思われます。えい航中にはニュ-トラルにしていてエンジンは止まらずに回ってました。 ヤンマ-1GMがが新造時の規格で前オ-ナ-が2GMに換装しています。燃料タンクは1GM仕様で30リットルであるので、連続12時間は燃費を考えるとを廻しすぎであった。手持ちの燃料用予備ポリタンクが8リットル容量なので、5時間程度のエンジンを使用して、このポリタンクで補給すれば丁度よいと思われる。以後航海途中でも、5時間で補給することに決めた。

 他のベテランヨットマンに対策を聞きました。いずれも航海中に作業可能なもの。

1. 一番よさそうなものは写真のようにペラの上に穴を空けて、デッキから取り除く方法、ハルの形状により出来ないものもありそう。工事代金が50-60万円ほどかかるといいます。

2. 潜望鏡のような底を覗ける器具を作成して、船尾からそれで覗いて長い鎌を利用して取り除く。 これもスタ-ンの形状ヤヨットの大きさにもよる。

3. 船側からハシゴを固定して、そこに腰かけて水中のスクリュウ-を見ながら、長い鎌で取り除く。

 ご老体にムチ打って潜ることは、季節に限りもあるし、できることではない。 クル-ジングの大きな問題となっています。いろいろ自分のヨットにふさわしい方法を見つけることが必要です。

 釣り客を乗せて営業している釣船の船長さんに尋ねたところ、馬力が大きく、スクリュ-も大きい自分の船では問題になっていないとのことでした。海藻などブチ切っているのでしょう。 30年近くの間隔があるけれど、今までの2隻はロングキ-ルの船体であったのか、ロ-プの絡みいがいで潜る経験は無かった。ハルの形状も関係していそうです。

 

 

 絡みついたホンダワラ 少し乾いてカサが減る

 少量のホンダワラの時 この程度は問題なし



 コックピットに空けたペラ穴

            その2   2022-8-7


    2019-7-11